ロブショットの世界一の使い手だと衆目の一致するのが、フィル・ミケルソンだ。
そのミケルソンは、自身の監修モデルである『Mack Daddy PM-Grind ウェッジの』60度と64度をバッグに入れている。
彼ほどの名手になると、この2本を使い分けて、さまざまな球筋のロブショットを打ち分けられる。
松山英樹は、60度のロブウェッジを使っている。
最近はピンが近い状況などで、ロブを打つケースが増えてきているようだ。
アプローチに定評のある石川遼は、昨年の終盤から、64度のウェッジを使用していることが話題になった
両者とも日本で戦っている時には、これらのクラブを使うことはなかった。
PGAツアーを戦うには、60度以上のウェッジがマストアイテムなのだと言えそうだ。
60度ウエッジのメリットとデメリット
1.大きなミスが出やすい。
2.結果のバラツキが大きい
3.距離感が出しにくい
60度以上のウェッジだと、例えばラフからのショットでボールの下をくぐってしまい、ダルマ落としのミスになりやすい。
ロブショット自体、ややダルマ落とし気味にボールをとらえていく技なので、その加減次第で、確実に1打以上のミスになる。
また、ボールが打ち出されるスピードが遅いので、2度打ちの危険性も高い。
どちらも大きな代償を払うミスになる。
また、大きなミスにならなくても、ロフト角が大きくなると、それだけフェースの上をボールが滑り、その滑り度合いによって結果の差が出やすい。
同じような振り幅で打ったつもりでも、その微妙な加減で、飛距離のバラツキが大きくなる。
ラフに入ってしまったボールは、スピンをかけてキュキュッと止めることは難しくなる。
芝がフェースに挟まり、スピンがかかりにくくなるためだ。
そんなときもロブショットは有効だ。
スピンを計算しなくても、高さで止めることができる。
ロブウェッジは、ロフトが大きな分距離が出ないので、大きな振り幅で打つことができる。
このメリットは実際のラウンドでは特に有効で、緩まずに加速しながらボールをヒットしやすくなる。
深いラフなどでは、ゆっくりしたヘッドスピードでは全くボールが飛ばなくなるが、かといって、速く振るとボールは飛びすぎてしまうものだ。
しっかり振って、ボールは飛ばない。その安心感が、難しい状況でのアプローチをやさしくする。
ロフトが大きいと、スピンもかかりやすい。プロは、より強くスピンをかけたい時にフェースを開いてアプローチするが、それと同じような効果がある
ロブウェッジは、堅実に1打でも少なくスコアをまとめたいと考えるゴルファーには向かないだろう。しかし、難しい局面でピン周辺をデッドに狙うには有効で、ピンチを克服するスーパーショットを狙う楽しさを味わえるクラブだ。
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