パッティングの秘訣
英国のインストラクター、パーシイ・ブーマー)は、その名著『ゴルフの習得について』で、ロング・ゲームのスウィングについて次のように述べています。
「ボールの位置がスウィング軌道の中心と考えてはいけない。ボールの手前ではなく、ボールを通過した直後で最大のヘッド・スピードを達成しなくてはならない」…と。
インパクトではなく、その後で最大のヘッド・スピードになるようにということです。
インパクトを終点と考えてしまうと、その前にスピードが落ちてしまうわけです。
「常に80を切る」ことが出来ない段階のゴルファーは、ボールにクラブ・ヘッドがちゃんと当たるかどうか、ヘッドの軌道が心配なものです。
テンプラにならないように、トップしないように、ヒールやトゥで打たないように…等々。
左腕がきちんと伸びていればヘッドは正確にアドレスの位置に戻る筈なのに、100%そうは信じられない。
で、当てることに集中してしまう。ヘッドを正確にボールに当てようとすると、これまたヘッド・スピードは減速します。
極めて僅かかも知れませんが、調整作業のために減速します。
パッティングでも同じことです。
ボールに正確に当てようとするとパター・ヘッドが減速する。
その動きを時間的に大幅に拡大してスロー再生すれば、インパクト直前にパター・ヘッドがほぼ急停止しそうに見えるほどかも知れません。
いずれにしても、減速すれば慣性による推進力(勢い)が失われます。
そうすると手・手首の角度の微細な方向誤差がパター・ヘッドの軌道に大きく影響します。ボール直前で急停止するようではショートして当然です。
パットでショートすることが多い原因は、これだったのですね
パットはロング・ゲームのような大きな運動ではありませんから、ヘッドは間違いなくボールに戻って来ます。
ゴルファーが心配することは何もありません。となれば、ロング・ゲームで重要なのがインパクト後のスピードであるように、パッティングでもボールを通過した後のスピードが重要ということになります。
それこそが慣性による推進力を生むものであり、それによってボールの転がる軌道も距離も狙い通りという結果が得られる筈です。
「加速せよ」というのは、われわれがともすれば減速しがちな傾向を戒めるものですが、では「どの程度加速すべきか?」は曖昧でした。
今回、やっと何故加速すべきか?の理由が解明出来、正しいメソッドを構築出来たと思います。「当てに行く」ことを防ぐのが加速すべき理由です。
「当てに行ったのでは加速出来ない」のです。《ボールを度外視し、フォワード・ストロークからフォロースルーまで同じヘッドスピードを保つ》のが正しいメソッドです。
こんな簡単なことが、分かっていませんでした。
「ストロークの終点はボールではない」と考えるべきです。ボールを越えた地点までヘッドスピードを保つ。ロング・ゲームでもパッティングでも秘訣は同じであるという結論になります。
コメント
コメントを投稿